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思索 - muse

サガン鳥栖サポーターとしての「私」の在り方を考える「優しさ圧」という息苦しさ

2021年2月13日

サガン鳥栖サポーターの在り方を考える「優しさ圧」という息苦しさ

私がサガン鳥栖を好きな理由のひとつに「サガン鳥栖サポーターの優しさ」があります。
「サガン鳥栖サポーターの優しさ」がサガン鳥栖の魅力のひとつということについてはサガン鳥栖の選手もたびたび言及していますね。

今回のブログでは、「優しさ圧」をキーワードにサガン鳥栖サポーターとしての自分自身の在り方について考えてみます。

サガン鳥栖サポーターの優しさ

次に、サガン鳥栖サポーターの優しさについて考えてみます。

ブーイングより選手を鼓舞することが大事

サガン鳥栖のサポーターはブーイングをしません。

これは、2019年3月10日のJ1リーグ第3節FC東京 vs サガン鳥栖 in 味の素スタジアムの試合後の私のツイートです。

「退場、オウン、イエロー、連敗などなど、まだまだ苦難は続きそうだけど、そんなときでも選手を歌の力で鼓舞するサガン鳥栖サポはホントに好き」

チームの状況が悪いときにブーイングをしないサガン鳥栖のサポーター。
これは最近の話だけではありません。

J2時代にほとんど勝てないままシーズンを終えるときに、ゴール裏へ挨拶に来た選手たちを迎えたのは「来年もまた頑張ろう」という声援でした。
※カチカチサガン鳥栖で見たのですが、何年頃の話なのかはわかりません。言葉の言い回しも含めて正確な話をご存知の方、ぜひコメント欄でおしらせください!!

つまり、サガン鳥栖のサポーターの優しさは「伝統」のように継承されてきたものなのかなと思います。

優しくあるべきという「優しさ圧」

しかしながら、気になるのは優しくあるべきという「優しさ圧」です。

「サガン鳥栖サポーターの優しい」という価値観が一般的になってくると、優くていい子でいないといけないような義務や、長きにわたって築きあげてきた同一性を保持すべきだという同調圧力のようなものに締めつけられる「優しさ圧」のリスクもあるのではないかと危惧しています。

危惧しているというか、自分自身がすでにそうなのかもしれません。

中庸な立場をとるということは、他人と関係しながら生きていく社会で生きる上で大切なことであり必要なことでしょう。
しかしながら、常に中庸な立場で発言し、明らかに不快なことがあっても、「考え方の違い」、「いろいろな人がいますね」と柔らかく、自分自身のことすらも諭すような言葉ばかりを選んでいると心が疲弊していきませんか。

愛のCRO劇場についての疑問

公衆の面前で叱りつけられる姿を晒して笑いを取っているようにしか見えなかった

  • ウィントス「今年はコロナの影響で降格がないから点を取らなくてもいいウィン。得点ゼロでも、勝点ゼロでも来年もJ1だウィン」

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が始まるまでは、あいさつ運動やPR活動でシーズンが終わることには真っ黒になっていたウィントス。
そんな頑張り屋のウィントスにこんなことを言わせるのは、

わたし
わかってないなぁ

と思いました。

しかもこれはサガン鳥栖公式の広報がアップしたものであり、どこかの誰かが勝手に発言しているわけではありません。

  • DOTAMA「飛べない鳥は鳥か!?」
  • 字幕「飛べない鳥をあなたは鳥と呼べますか」
  • DOTAMA「ひたすらザコン鳥栖街道突っ走っています」

飛べない鳥と言われたらもうあれしか頭に浮かばないですよね。
それが「サガン鳥栖公式」から発信されたのに驚きました。

わたし
誰かNGを出す人はいなかったの・・・?

  • DOTAMA「点が取れないサッカーチームは本当にサッカーチームなのか」
  • DOTAMA「たった1点取れないでプロを名乗っていて恥ずかしくないの。おまえらはアマチュアか。」

わたし
想像してみてほしい。

自分の働いている会社に、他業種で自分のようなスキルを持っていない人が業務改善コンサルとしてやってきます。

  • 業務改善コンサル「〇〇ができないでプロを名乗っていて恥ずかしくないの。おまえらはアマチュアか。」

同じスキルを持っている経験豊富な人ならともかく、業務改善コンサルとしてやってきただけの人にそんなことを言われて嬉しいですか?
叱咤激励最高!やる気出たわ!ってなりますか?
たとえば、自分じゃなくて同僚が槍玉に上がっていたとして、「業務改善コンサルがあんな風に仲間を叱咤激励してくれるなら我が社の未来は安心だ」って思いますか?

もちろんそう思う人もいるかもしれないし、それで頑張ろうとか、認めてもらおうと思う人もいるかもしれませんが、私なら自分のところの社員に対して、そんなことを言う業務改善コンサルを担ぎ上げる会社なら、退職届の準備をします(そういう考えだからフリーランスという道を選んだのかもしれませんが)。

監督と選手の間柄であれば厳しい言葉であっても基本的には愛情といっていいでしょう。
また、そこにはお互いの信頼感もあるし、ピッチの上で一緒に戦う仲間というの共通の立場もあると思います。

しかしながら、広報チームはサガン鳥栖を支える存在であるのは間違いないですが、「プロを名乗っていて恥ずかしくないの。おまえらはアマチュアか。」と選手の能力について言及する乱暴な言い回しの言葉を投げつけていい立場なのでしょうか。
また、広報だからこそ、どう見られるかというのを考慮しないのだろうかと疑問に感じました。

辛辣なことをいわせていただくと、広報チームに対してそっくりそのまま言葉をお返ししたいというのが率直な感想です。

愛のCRO劇場」は公衆の面前で叱りつけられる姿を晒して笑いを取っているようにしか見えませんでした。

サガン鳥栖公式や広報チームは一体何をしたかったのですか?
いまだにわかりません。

好評につき第2弾ということ?

DOTAMA「降格がなかった今シーズンはサガン鳥栖にとってぬるま湯だったかもしれません。勝利は2回。明らかにガス欠だったベガルタ仙台さんと壮絶なコロナ明けで見るからに万全じゃなかった柏レイソルさんに勝利。相手も調子が悪いという条件でしか勝てないのがサガン鳥栖です。条件付きでしか勝てないのがサガン鳥栖です。

このあとポジティブなことを言ったからいいという意見もあるでしょう。
しかしながら、ベガルタ仙台も巻き込み、ウィントスに対するリスペクトの欠ける使い方(これまでも投げたり、暴言を吐かせたり)・・・それ、必要ですか。

悪ふざけにしか見えないです。

愛のCRO劇場とサガン鳥栖広報に思うこと

愛のCRO劇場に対する評価はおおむね好評です。
リプ欄や反応はだいたいこんな意見です。

  • 「よくぞ言ってくれた!」
  • 「代弁してくれた!」
  • 「サガン鳥栖のために言ってくれた!」
  • 「DOTAMAさん最高」
  • 「面白すぎる」

ここまで書いてきたことでおわかりでしょうが、私にとっては「愛のCRO劇場」はあり得ないものでした。
でも、公式にリプをつける勇気はなかったです。

そこで感じていたのが「優しさ圧」でした。

ここで「愛のCRO劇場」に批判的なことを書くと、「サガン鳥栖のために頑張っているDOTAMAさんに対して失礼」とか「みんなが楽しんでるのに空気を読まない」とか「DOTAMAさんに対してノリが悪い(みんなが面白いって言っているんだから同調しろ)」「DOTAMAさんのサガン鳥栖への愛情を否定するつまらないやつ」とか言われてしまうことを恐れたというのが正直な気持ちです。

「まあまあ、DOTAMAさんはサガン鳥栖のために言ってくれているんだから、そこはわかってあげて。愛情がなきゃ言えないよ」と諭されて、「大人気ないことを言ってしまいました」みたいな空気感になっても嫌だなぁとか考えたら、何も言えませんでした。

批判するより、中庸であり、サガン鳥栖についてはいい子でいるべし
私自身、いつの間にか本音よりもそのような振る舞いが前面に出ているように思います。

「サガン鳥栖サポーターの優しさ」はサガン鳥栖の魅力であるのは間違いないのですが、ときどき「優しさ圧」としてネガティブに作用していることもあるように感じます。

もしかすると、「愛のCRO劇場」に賛成の方の中にも、普段は優しいサガン鳥栖サポーターであるために発言を控えていたけれど、公式が制作した「愛のCRO劇場」だからこれに便乗して「代弁してくれた!」とか「よくぞ言ってくれた!」という人もいるのではないでしょうか。

中庸であることや、いい子でいることは大切なことですが、常にそうである必要はないのではと思います。
やはり、「これは違う」と強く感じることについてはそれを隠す必要はないのではないでしょうか。

空リプが精一杯だった

煽りの面白さとか、厳しい言葉による愛情とか、叱咤激励みたいなノリって苦手
言霊ってあると思うんだよね
だから私は悪い言葉は使いたくない。

そうそう、言い方は大事ですよね
ダメなときに無理に持ち上げなくてもいいけど、その言葉を言っちゃう?って感じてしまうような言葉を見るとなんだかなぁと思ってしまいます。

こういう動画なら大好き😊
100回くらい見れそうなり笑
見る人が優しい笑顔になれる動画をまたお願いします✨

サガン鳥栖が大好きだから、冗談でも愛情の裏返しでも、微妙な気持ちになる動画は見たくない

このブログで言いたいことや伝えたいこと

優しさ圧に少し疲れているサガン鳥栖サポーターや、内心では私と同じように考えていた人がこの記事を読んで「自分だけじゃない」と安心してくれたら嬉しいです。

サガン鳥栖サポーターの「優しさ」の本義はチームがどんなに苦境に陥っても、拍手などで鼓舞して支えることにあるはずです。
しかしながら、いつも間にかその優しさがズレてきて、サガン鳥栖サポーターはお行儀が良くて、文句を言わないから「優しい」という本義とズレたものが生じてきたように感じます。
わたしはそこに「優しさ圧」を感じています。
「チームが負けたときに鼓舞するのが嫌!」とか、「みんなと一緒に拍手するのは同調だから嫌だ!」と主張しているわけではありません。

選手の移籍に対しても、「移籍先で頑張って!」みたいなことを言わなきゃいけない空気感を感じてしまうので、移籍シーズンはSNSを見ることができない私はただのひねくれ者なのかもしれませんが 笑

最近は、石井選手あたりが移籍した選手に「裏切り者」とか気軽に言っているのをみて少しホッとしています 笑

私は移籍していく選手に怒ってもいいと思っています。
もちろん、誹謗中傷やただの悪口や暴言はだめですし、本人のSNSアカウントへの突撃もだめですが、個人アカウントで怒り、悲しみ、批判を述べることは構わないのではないでしょうか。
個人アカウント内での発言である限りは、欲しいのは共感なんですよね。
「怒ってる」「そうだね」
「悲しい」「そうだね」
程度の欲求であり、本来SNSとは自分の感情に共感してくれる人がいたら嬉しいなというものだったように思います。
サガン鳥栖サポーターが移籍する選手のことを悪く言うことで、「サガン鳥栖サポーターは優しいと思っていたのにガッカリ」といわれることもあるかもしれません。
しかしながら、本義と異なる「優しさのイメージ」を裏切ることは問題なのかと疑問です。
チームを鼓舞する「優しさ」は選手のため、クラブのためですが、本義と異なる「優しさのイメージ」については誰のためのものなのでしょうか。

人の世には残念ながら、ふたつの「優しさ」があります。

ひとつ目は、ある行動に対しての「優しい」という第三者のポジティブな評価です。
これはサガン鳥栖サポーターの優しさの本義にもいえることでしょう。
ふたつ目は、何をしても怒ったりしなそう、文句なんて言わなそう、喧嘩しなそうという「優しい」という評価でこれは残念ながらネガティブな意味合いを含みます。
ざっくり表現してしまうと「舐められている」という表現がわかりやすいかもしれません。
残念ながら、人は扱いやすい人、自分に逆らわない人に対しても優しいという評価を与えます。

ゆえに、正直でいていいと思うのです。
「愛のCRO劇場」にリアルタイムで何もいわなかったわたしのいうことではありませんが 笑

もちろん限度はありますし、素直に不満や怒りを表現することで不利益をこうむることもあるかもしれません。
たとえそうなったとしても、自分を諭して、いい人として振る舞うよりもずっと健康的で人間らしいのではないでしょうか。
最低限、言葉を選ぶ努力は必要ですが、それも100人中60人には文句を言われないだろうくらいの言葉選びでいいと思います。

今さらながら思うことは、「愛のCRO劇場」についてはサガン鳥栖の広報チームが「サガン鳥栖サポーターは優しい」を本義とズレた広義の優しさで定義していたように感じています。
これがもし熱いサポーターがいるクラブの広報チームなら「愛のCRO劇場」みたいな企画案が出たとしても「でも、うちのサポーターはこんな風にクラブやマスコットや選手を扱ったら怒るかもしれないよね」と考えるのではないのでしょうか。

基本的には、集団行動やみんなでわいわいするのを好まない永遠のステイホームタイプの私が思うことなので、私の主張などマイノリティもいいところかもしれません。
そんな性質の私がどうしてサガン鳥栖のサポーターなのかは謎ですが、イレギュラーな行動を引き起こしているという事実こそがサガン鳥栖の魅力なのでしょう、きっと。

自分らしく。

それでは、また。

麗乃(Reino)

サガン鳥栖の過去ブログ

https://thecharlene.com/miu_blog/category/sagan-tosu/

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麗乃(Reino)

フリーランスのブロガーのReinoです。 佐賀県唐津市生まれ、東京育ち。 慶應義塾大学文学部卒業。 7 MEN 侍、SixTONES、永瀬廉(King & Prince)、ジャニーズが好き。ただのオタク。人間以外ではサメのオタク🦈 サッカーは生まれ故郷のサガン鳥栖好き。

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