グノー《ロメオとジュリエット》METライブビューイング
METライブビューイングでオペラを鑑賞。
今回は、グノー 《ロメオとジュリエット》新演出です。
グノー《ロメオとジュリエット》METライブビューイング新演出の衣装
まず、衣装が煌びやかで素敵。
男性の衣装にもビーズのブローチがきらりと目を惹きます。
退廃的な仮面、ペプラムデザインのドレス、星のカケラを縫い付けたようなレースの美しさを堪能できるのもMETライブビューイングならでは。
休憩明けの特典映像(METライブビューイングはこれが面白い)では、衣装のC・ズーバーさんのインタビュー。
今回の衣装はフェリーニの映画『カサノバ』(1976年)をイメージ。
映画『《カサノバ》フェデリコ・フェリーニ』はイタリア人衣装デザイナー、ダニロ・ドナティがその年のアカデミー衣装デザイン賞受賞してるそう。
※本ページの配信情報は2021年1月時点のものです。最新の配信状況はリンク先
オペラ《ロメオとジュリエット》のあらすじ
「家」に引き裂かれ運命に翻弄される恋人たち!シェイクスピアが遺した永遠の悲恋物語をオペラ化したグノーの傑作が、ドリームキャストで新制作!人気演出家B・シャーが壮麗かつスケール豊かに再現するイタリアの古都を舞台に、世界のプリマ D・ダムラウと花形テノール V・グリゴーロの強力カップルが、甘い二重唱や魅惑のアリアを歌い上げる。美しき声と旋律が引き立てる伝説の恋、これぞ、オペラの奇跡。
引用:http://www.shochiku.co.jp/met/program/1617/
- タイトル
- 『ロメオとジュリエット』
- 原題
- Roméo et Juliette
- 原作
- ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』
- 時と場所
- ルネサンス時代のヴェローナ
- 作曲家
- シャルル・グノー(フランス)
- 種別
- 全5幕のオペラ
- 初演
- 1867年4月27日 パリのリリック座
- イギリス初演
- 1867年7月11日 ロンドン コヴェントガーデンのロイヤル・オペラ・ハウス
- 日本初演
- 1918年 日本館(旭オペラ座)
オペラ《ロメオとジュリエット》の感想
物語では、「夜鳴鶯・墓場鳥」という別名を持つナイチンゲールが印象的。
夜が明けると一緒にいれない2人が朝を遠ざけたくて、聞こえてくる鳥の声をはヒバリではなくナイチンゲールだと思いたいという場面。
ラストシーンの死ぬ間際にもナイチンゲール。
ここで、もしかして、ナイチンゲールはメタファーだったのかなと閃く。
振り返ってみれば、ロメオは真夜中にテラスの下で愛を歌い、最後は墓場で死んでいく。
ナイチンゲールの英語のスペルnightingaleをnight-in-galeと分解するなら、感情の嵐の中の夜(意訳)、ロメオそのもの。
ナイチンゲールで場面と場面がつながり。
表情や所作の全てにロメオとジュリエットが宿っているかのようなダムラウとグリゴーロは圧巻。
ラストシーンは胸にこみ上げるものがあり、泣きそうだった。
ストーリーは最初から知っているし、ロメオの先走りうっかり感がすごいのだけど 笑
あれだけ悲しい気分になるのはステージの熱量なのかもしれません。
休憩明けの特典映像パートに流れた演出のB・シャーさんと美術のM・ヤーガンさんのインタビューでは、それぞれの役割で最高の力を出し切って「作品」になるのだと感じた。
その力の結集が熱量だったのだと思う。
カーテンコールがグッとくるのも、きっと、そういうこと。
METライブビューイングは見せ方もすごくうまい。
また行きたいな。
たまたま慶應義塾大学で音楽学の講義を受けていたときの、加藤浩子先生と偶然お会いできたのが面白かった 笑
まさか同じ日の同じ時間にいらっしゃるとは 笑
加藤浩子先生は私のオペラの伝道者のような先生なので、こういう再会は嬉しいものです。
METライブビューイング《ロメオとジュリエット》作品データ
上映期間:2017年2月25日(土)〜3月3日(金)
指揮:ジャナンドレア・ノセダ
演出:バートレット・シャー
出演:ディアナ・ダムラウ(ジュリエット)、ヴィットーリオ・グリゴーロ(ロメオ)、エリオット・マドール(マキューシオ)、ミハイル・ペトレンコ(ローラン神父)
上映時間 :3時間15分(休憩1回)
[ MET上演日 2017年1月21日 ]
言語 :フランス語
METライブビューイングとは
オペラのチケットは高いのでなかなか近寄りがたいのですが、METライブビューイングはチケットも安く学割もあるので、オペラデビューにおすすめです♡
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ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場(通称:MET)で上演される
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大きなスクリーンで見ることができるので、衣装の煌びやかさまでわかるのが嬉しい。
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